合羽橋商店街近くにある、アートコンサルティング会社のオフィスである。
現場はSOHO向けにリノベーションされ、床はフローリング調のビニール床、壁と天
井は真っ白に塗装されていた。
この場所に、オフィス用の机と収納、天井まで壁がない個室を寝室として使用出来る
ようにする事が要求された。
机と棚、収納の壁も兼ねる大きな平面L型立面ロの字型のプレートと、オフィスの中の
小さな家を提案した。
レンタルスペースとしても考えている机は脚がなく、人がいない時には大きな机や展
示スペースとして使用できるように、フローリングの床をそのまま浮かしたようなも
のとしている。
上部の棚部分は、机と同じ550mmの奥行きがあるため、壁側は見せない収納、先端
側はアート作品などの展示スペースと考えている。
寝室は、天井高さ3500mmある空間と高さ2200mmの既存壁を活かし、既存壁の上
に小さな屋根を置くだけの単純なものとした。
ものが増えたり展示物が増える事も許容できる、強い空間キャラクターを与える事を
目指した。
会社の成長と共にどのように空間が成長していくか、私自身とても楽しみにしている。
写真撮影 太田拓実